私が初めて買ったプラモデルは、タミヤ(イタレリ) / 1/72 ユーロコプター タイガー H.A.P.である。
当時、私は小学校高学年であったと記憶しているが、ミニ四駆をやっていた事がきっかけで、
プラモデルも買ってみようと思ったのである。
模型店でプラモデルを選ぶのにも、1時間くらいかけて選んだ記憶がある。小学生の千円は
大金である。そして、塗料の事も考えなくてはいけなかった。まず、ダークイエロー部分は成型色を利用することにし、
塗料棚の前でまた散々悩んだ挙句にタミヤエナメルのレッドブラウン、レモンイエロー、ブラックの三色を買った。
無論、ウスメ液なぞ買う金はなかった。
家に帰り、ミネシマのベビーニッパーと、学校支給のカッターと、木工用ボンドを駆使し、組み立てた。
塗装。フデは授業で使ったものを家に持ち帰り使った。ウスメ液がないので、そのままビンに突っ込んで
塗る。
迷彩はレッドブラウンを用いた。他はプロペラ部分の黒と黄色だけの塗装だった。
完成した。
いまでも、その時の嬉しさは覚えている。一日中完成品を眺めていた。
よく趣味の話題で「そこまで出来たら楽しいだろうな」という意見を聞く。
私も小学生の頃よりはプラモデルも幾分かはうまくつくれるようになったし、今も楽しんでいる。
しかし、つくりはじめの頃の楽しさは、今の楽しさとは違う。どちらにもそれぞれの時期にしか
味わえない楽しみがあると思う。
最近は「ガールズ&パンツァー」や「艦隊コレクション」から、スケール・プラモデルを作り始める方も
多いと聞く。
私も、こういったアニメやゲームのプラモデルが生理的に受け付けられないプラモおたくの一人であるが、
これから始められる方は、プラモおたくの声なぞ放っといて、作り始めにしか味わえない楽しみを、
存分に楽しんでいただきたい。