EBBRO 20014 1/20 McLAREN HONDA MP4-30 Middle Season 製作 (1)
製作時間 0.5時間
-- 遂にリリースされたエブロMP4-30 --
2015年第54回静岡ホビー・ショーでの衝撃発表より約半年を経て、エブロのMP4-30が発売された。本来であれば、絶対にプラスチック・モデルになぞならないであろうマシンを発売して下すった、魂のメーカー、その名はエブロである。
はやる気持ちを抑えつつ、製品を眺めてゆきたい。
先ず箱の解説文が感動的である。従前のF1プラモデルの解説文には無い、極めてエモーショナルな一文である。説明書きの解説文も素晴らしいのだが、ここから先は、キミの目で確かめてもらいたい。
何んと云っても目に入るのが、1/20F1プラモデルでは初となる、この赤いピレリ・ロゴのスーパー・ソフト・タイヤである。
この黒に赤の配色のタイヤに、黒に赤のカウル・ペイントは、完成させると堪らないだろう。
トレッド面も良い。
デカールは同社のロータス49以降はイタリアはカルトグラフ製のものが付属していたのだが、此度価格を従来のキットよりも千円下げた影響からか、違う様である。
と云っても、同社のロータス72C付属のものと同等と思われるシルク・スクリーン印刷である。、私も以前に製作したが、このデカールは、サード・パーティーの別売デカール並の品質は確実にある、質の良いものである。
メーカー・ロゴも良いのか悪いのか比較的少ないので、デカールは貼り易いだろう。
サイド・ミラーのメタルインレットも付属。
デカールは、まとまった部分が一体化されており、貼り易さが考えられている。特にノーズ部分は左右対称に気を遣う部分なので、この一体化はうれしい。
デカールの余白は極めて少ない。
いよいよプラ・パーツの寸評に入るが、此度のキットは、プラモデルやF1初心者のかたでも組み易いように配慮されたキットであるように感じた。つまりは、従前のエブロ製クラシックF1キットとは異なり、実車のメカニズムを模型で愉しむと云った構成ではなく、現代の複雑な構造のマシンを、組み易さとプロポーションの再現を第一に考えた設計に思えるのである。
と云っても、現代マシンはプロポーション・モデルでも部品点数は100点を優に超えるので、内部再現を切り捨てるのは正しいと判断だと感じる。
先ずはモノコック。ノーズはモノコックと一体であるが、左右分割ではなく上下分割なのがうれしい。合わせ目はメタリック塗装だと細かな段差が経年変化で浮き出てくるので、目立たぬ場所にあるに越したことはないのである。
以前の記事でも紹介したが、此度のMP4-30は日本製である。モノコック裏に堂々と刻まれている。
Aパーツ。
フロント・ウイングは実車の構成が複雑なのだが、出来る限り一体化がなされている。
Bパーツ。
Cパーツ。
同社のプラモデルは、異様に突き出しピンの数が少なかったのだが、MP4-30は部品が複雑なためか、一般的な数である。
Dパーツ。
スキッド・プレートが別パーツになっているのも、塗装の便がよくうれしい。
リヤ・カウルのモナカ分割の間に、正確に組めるよう丸いガイド部品が付属していたり、フロント・サス・アームが中で握手する構造になっていたり、ホイール・ナットが別パーツになっていたり、リヤ・タイヤがポリキャップ2つで固定される構造であったりと、タミヤの歴史的名作(タミヤのF1プラモに駄作は無いが)である、1/20レッドブルRB6を参考にしたと思われる部分が多くあり、組み易さへの期待も高まる。
プラモデルは実際に組まぬと、その良さは判らないものではあるが、商品構成を見ただけでも、かなり"良さげ"なキットである。これから組みたててゆく上で、よい点を沢山紹介できる事になれば、私も喜ばしい限りである。
天下のタミヤ模型にも、毎年とは言わぬので、オリンピックのペース並にはF1プラモデルを新規開発を是非して頂きたい。
早速製作にとりかかる。此度はインター・ネット最速の完成記事を目指し、ブログ界の音速の貴公子になろうと企んでいるので、乾燥に時間のかかるボディ・カウルから進める。
合わせ目を消す部分を真ッ先にタミヤ・セメントで接着し、模型用食器乾燥機、通称『山善』で強制乾燥させる。
キットはプラモデル初心者への配慮が感じられるが、拙ブログ記事は、平常運行で更新してゆきたい。と云うのも、私はプラモデル初心者の頃から、模型雑誌のいわゆる"初心者向け記事"が嫌いだったのである。「道具と環境さえ揃えば、そのレヴェルのものは自分にもすぐに作れるし、おまえがやった事を書けッ。」と思っていたので、私が製作した事を書くだけである。