タミヤF1キット新作発売を記念しここに記す
-- 20067 --
20067、これは言うまでもなくTamiya 1/20 グランプリコレクションの
第67作目である事を意味する。
そして、F1プラモデルの歴史はこのTamiya 1/20 グランプリコレクション
の歴史である。
田宮模型は現在に至るまで常に※1その時代の最新F1マシンをリリースしてきた。
そして、この時代の最新キットをリリースするという規則により、タミヤのF1模型は
金型もまたその「時代」をダイレクトに反映している。
西暦2012年12月1日、新たな「F1の歴史」がまた一つ刻まれた。
刻まれた「歴史」は、実際に写真を見ていただければ一目瞭然である。
キット・フォーマットは前作のF60を踏襲しつつもコックピットのシートベルト
の差し込み口が開口されていたり、ホイールのセンターロックが別パーツ化されていたり、
前作よりさらに完成度の高いキットである。
タミヤのF1模型が他社のプラモデルメーカーの製品と比較するまでもなく、
突出した出来である事は、F1プラモデル愛好者なら周知の事実である。
併し、タミヤは30年前より慢心する事なく常に高みを目指しモデル開発を行っている。
田宮模型は未だ他の業界の凡百の大企業なぞとは違う、プラモデルを愛する造形集団だと
ぼくはこのキットを眺め確信した。
例えるならば3コードという「ロック・フォーマット」を堅持しつつ誰も到達し得なかった境地に達した
近年の「ルー・リード」の如き非常にピーキーかつプリミティヴな「作品」なのだ。
-- RB6、作例:あさのまさひこ 「言葉にならない、完成品を見せてくれよ」 --
ぼくが月刊モデルグラフィックス・タミヤRB6特集に望む事は一つ、
あさのまさひこ製作によるRB6の作例、レヴューである。
平たく言ってしまえばそれはぼくなりのあさのまさひこに対するアジテーションであり、エールなのである。
MG誌という非常にピーキーかつプリミティヴな表現媒体において、
現状のシーンを根底の部分を見失うことなく俯瞰で見通す能力、
ヌルい現状に甘んじず逆算的にそれを利用しシーンを鼓舞しようとするしたたかさ。
これこそが2012年という「高邁な精神」におけるF1モデラーによる「力への意思」なのである。
それは形而上学でのモデルグラフィックスという「場」は、決して「アカデメイア」などではなく
極めて「リュケイオン」的フィールドの発露であると暴露する事にもつながりかねないのだが(笑)
尤も模型界の住人と言うのは現状のシーンに悪く言えば疎く、
右肩下がりのベクトルであってもそれを後ろ向きに肯定してしまいがちなのだが(苦笑)
だがそれらは単なる表層であってほかの何よりも圧倒的であろうとし続けるスピリッツ。
それこそがぼくのあさのまさひこへの唯一のあさのまさひこの「レゾンデートル」と言えよう。
何よりもそれがあさのまさひこに伝えたいことなのだから。
MG誌編集にはあさのまさひこに対し真摯なアジャストとレジュメを期待したい。
そしてあさのまさひこによる作例こそ、MG誌におけるタミヤもとい、「タミヤ的な何か」への
ワルシャワ・ライジングな「解答」でありモデル・アーキテクチャ的なコンテクストにおけるカリカチュアライズされたマッシヴとも取られかねない「正解」なのだ。
かのコーネリアス小山田圭吾が「センシュアス」により暴き出した世界、もしくはエイフェックス・ツイン、オウテカ「以降」の新たな表現の「稜線」を
赫奕たる、極めて赫奕たる形により「提示」できるのは
つまるところ「オルフェーヴル」としてのあさのまさひこの「ジョワドヴィーヴル」ただ一つなのだ。
もけいとじかん/模型文化ブロガー mj
-- キット・レヴュー --
全体の概要はインターネットサイト「ホビーサーチ」※2に任せるとして、ぼくが気になった部分、
注目ポイントを撮影しました。
1.Tamiyaの中身の箱への収まり、ランナーへのパーツの収まり、陶然とする程の美。
2.スライドマークは初の底面糊付け。
3.驚愕の「事件」リヤ・ウイングデカール
4.こちらのアミ目との格差。ピーキーな、非常にピーキーな、
レーダーチャート化すると非常にイビツな一点突破型のキットである(苦笑)
56789.最早言葉は無力である。これが2012年のタミヤからの「解答」だ。
※1 Tamiya 20060 ロータス タイプ79 1978 を除く
※2 クレジット・カード情報漏えいの過去があり、ぼくはホビーサーチの通販利用はしていない。
ご利用はくれぐれも自己責任でお願いする。
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